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マニュアルの功罪

私はマニュアルを作るのが大好きです。

多分、自分の担当業務をマニュアル化できるように細切れに分解しながら、理解しているのだと思います。

正直なトコロ、緻密な業務、ミスを許されない業務は「慣れ」と「惰性」で仕事してしまったときに痛恨のダメージをうける。

なので私が昔、給与計算や社会保険等の「やらかすと大ダメージ」を受ける業務担当だったときは基本的にマニュアルを見ながら仕事をしていました。

ただひとつ、作業が漏れただけで大事件になるからです。

 

 

私はマニュアルを、基本的には肯定しています。

特に知識の乏しい新人ちゃんや、業務を引き継ぐ人が一定レベルに速やかに到達するためには一番力を発揮するものと思っている。

 

 

ただ、自身の経験からマニュアルの「罪」も感じることがありました。

私は給与計算や社会保険の担当が長かったため、基本的に緻密にミスなく決められたことを完璧にやるべきという業務形態が長かったです。

そのため、その時の業務方針は「いかに効率的にミスなく業務を行うか」。

業務を行い、不具合が出れば原因を探り、再発防止策を取り、マニュアルを更新するというように仕事をしました。

これ自体も私を成長させてくれましたし、トヨタ系に入ったおかげでそういう仕事の仕方を学べたのでありがたいです。

 

 

でも、最後にどちらかというと企画系部署の担当者として異動したときに、色々と衝撃を受けました。

その部署はびっくりするほどマニュアル化されておらず(若干社内でも他部署と空気感が違ったのです)私からすると「いいかげん」。

前任者から引継はほぼなく、仕事をするのに前の資料は残っていない、問題が起こっても当時の記録がない。

ないない尽くしの部署で私が求められたのは、業務の効率化とマニュアルの作成です。

大変苦労をしたのですが、マニュアルがない中で自分がまずしたのは「この仕事は何のために存在して最終的にどこまで仕上がっていれば問題ないか」を見極めること。

そして疑問点を洗い出して調べられる先を探し、片っ端から聞きまくる。

考えられる先は協力をあおぎ、考えられる資料はすべて探し、時に現地に出向き、完全でないながらも自分の考えをまとめて部長や取締役へ決裁を求める。

これはとてもストレスフルであり、かつ楽しいものでした。

いつ足元を救われてトラブルかわからない世界で、当時の部長は私が「頑張っていること」をただ認めてくれたも大きかったと思います。

マニュアルがないからこそ、自分で考え、自分で行動することで自分の向き不向きがびっくりするほどわかるようになりました。

 

 

私自身は大変な苦労をしたため、結局担当業務全てをできる限りマニュアル化し、グループ長の「業務担当者管理マニュアル」まで作成(引継した担当者に若干不安があったため)したうえで部長へ報告し、業務を終えました。

マニュアルは確かにある程度の品質補完のため、大切です。

でも、マニュアルに沿ってミスなく完璧に、だけを遂行すると本気でつまらない。



私自身は数字を読むのに割と長けているようです。

予算編成業務について、過去資料から傾向やどこまで報告できればOKかを割り出し、前年と今年の変化点やその理由等をあぶりだし、部長へ満足のいく報告ができて初めて自分の向いていることに気づきました。

同じことを前部署でやったときはマニュアル通りにやったので、むしろ堅苦しくてつまらない仕事としか思ったことがありません。

マニュアルがないことで、苦労しつつ自分の満足のいく業務が行えたというのは今も私の誇りです。

だってどこでも、自分の最善を尽くして戦えるってことだもんね。